だーぶらのふぇちメモ

　

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リリ、処刑



「う……こ、ここは？」

昏倒状態から回復するリリ。
既に極限状況に陥っている事も知らずに、ぼんやりしたままゆっくりと瞼を開ける。



「……ッ！！？」

ふと目を覚ますとリリは、壁に突き刺さったダブルセイバーにぶら下っていた。
さらに股の下をチェーンソーの回転した刃がくぐっており、耳を劈くような鋭い回転音が部屋中に響き渡る。

「やっと目ェ覚めたようだね。全く驚かせやがって……気絶したのに剣握ったまま放しやがらねェからな。仕方ねェから、こうしてぶら下げてやったんだよ」



「ふぇ……ふぇえっ……？？」

あまりの状況に混乱するリリ。
間抜けな声を漏らしながらあちこち見渡している。

「オイオイ、しっかり目を覚ましたらどうだい？　もしその剣から手を放せばお前は真っ二つなんだぞ？」

先ほどから背後から声が聞こえてくる。この声、街で襲ってきたあの女だ。
他にも知らない男の人が腕を組んで立っている。

「な、何これ……何なの？」
「これはお前の処刑ショーだよ。お前はここで死ぬのさ。マタから真っ二つに割れて真っ赤な血と臓物を撒き散らしてなッ！」

チェーンソーを片手に構えた女が、リリの顔を覗き込む。
彼女の冷たい右目に睨まれ、恐怖に身を震わせるリリ。

「ヒッ！　や、やだ！　どうしてこんな……？」
「どうしてって？　テメェのツラが私をムカつかせたんだよ！　さて、いつまで持つかな？　クククク……」

彼女は笑いながらチェーンソーを握る。
もし壁に刺さった剣から手を放せばその瞬間、チェーンソーに股を裂かれ、無残な最期を遂げるだろう。
絶対に手を放してはならない！



　…………





「ぐっ……うう……」

苦しげな声を漏らすリリ。
目を覚ましたから既に2時間以上経過している。
握力は強い方だがそれでも限界があった。
両手は痺れ、感覚は殆ど無くなっていた。

「嫌……嫌だよぉ……死にたくない……」
「ふーん、なかなかしぶとい奴だねぇ……こっちも飽きてきたし、そろそろシメに入るか」

女が合図を送ると、近くに立っていたもう一人の男が、リリに向かって手を伸ばす。

――こちょこちょっ



「ふひゃっ？！」

不意に素っ頓狂な声を漏らすリリ。
男の両手はリリの両脇を掻き回し、女の空いている方の手がリリのお腹の上で踊っていた。

――こちょこちょこちょこちょっ！



「や、やめ、やめて！　あは、あははははっ！　ダメ、こちょこちょダメぇっ！　あっ！　落ちる！　落ちちゃうっ！」

激しいくすぐったさが限界寸前のリリに容赦無く襲い掛かる。
くすぐりに弱い彼女にとって、それはとても残酷な責めだった。
剣にぶら下ったまま爆笑し、ジタバタと暴れくすぐりから逃れようとするリリ。無論それは無駄な行為である。

――こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょっ



「あっあひゃあっダメっ！　あひゃひゃひゃひゃひゃっ！　て、手に力が入らな……いあっあっんあぁぁあああ～～っ！」

もし手を放したら即死亡。
そんな極限状態の中、自身の間抜けな笑い声が只空しく木霊している。



そして、感覚を失う程に痺れ切った両手が、遂に剣の柄からずり落ちてしまう。



「あ……」

絶望の表情で剣に向かって手を伸ばすリリ。
しかし剣はどんどん離れていく。



「イッ――嫌あぁぁアアアッッ！！」

壮絶な断末魔とともに、リリの身体は重力によって落下する。
彼女は死を覚悟した。自分が真っ二つになり血と臓物を撒き散らす様を想像し、失意・無念と共に意識が闇に途絶えた。



――ヴンッ！

高速回転する刃がリリの秘部に触れる直前に、一気に振り下ろされるチェーンソー。
そのままチェーンソーに触れることなく落下し、床に崩れるリリ。

――プシャァァァ……



「アァ……あは……ハ……」

死の恐怖に、白目を剥いて気絶してしまうリリ。
全身をピクピクと痙攣させ、ホットパンツがビショビショに濡れてしまっている。

「アッハハハ！　ちょっとしたジョークのつもりなのに完全に失神しやがったぜ！　しかも漏らしてやがる！　ヒャハハハハ！」

爆笑しながらリリの髪を掴み、乱暴に持ち上げるイラ。
リリは気絶したまま力無く項垂れている。

「安心しな、まだ殺さねぇ。もっと遊んでからじっくり痛めつけて殺してやるよ♪」